=旧くから付き合いのある陶芸作家Sさん(72歳)との雑談から。


昔、どこかの山で紫シメジを見つけ食べたところ、とても旨かった。
何年か経ち、再びその茸が採れたので勇んで料亭へ持参し、料理し
てくれと差し出した。心配する板前に「茹でると色は消える」と。

しかし茹でても紫色は鮮やかなままだった。一瞬戸惑ったけれど威
勢よく言った手前、ままよと食べた。・・何ともなくて助かったよ。

フグは、さばきたてを食べるんじゃなくて2日は保管するんだぜ。
肝は、最初は怯んで味が分からなかったが、2,3回目から旨く感じる
ようになった。隠語でアブラって言うんだ。味は、フォアグラをマ
イルドにした感じ。少し痺れるかって?痺れた時には死んでるよ。

「命がけの食事ですね。Sさんに怖いものは無いでしょう。」

いや、コロナは怖いよ。無症状の人が大勢いるってのが恐いよ。

あれ、原因は蝙蝠が運んだってんだろう?蝙蝠はどんなふうに調理
するんだろう。しゃぶしゃぶかなぁ。君、他国の食文化を貶しては
いけないよ。日本だって、蛸を食べたり白魚を生きたまま飲み込む
のは、外国人から見れば驚愕だったのだから。つい最近までな。

小学生時代、多羅尾や田代の友だちが樹に棲息している虫をおやつ
に食べていたことには驚いた。可愛い女の子が、栗の木の虫が一番
旨いと教えてくれたよ。信楽でもカルチャーショックがあったんだ。

海まで何千kmも離れている中国内陸部からすると、さもありなんだ。

あ、俺、どうしても食えないのが一つあった。猿の脳みそだ。毛を
剃った頭部の上を開けてるんだが、どうしても手が出なかったなぁ。


フィルターは毒だって医者が言うんだ。(と両切缶入ピースを手に)

2020.0518