梅雨が開け、気温は高く、照り返しの強い夏日が続いている。
今が『鮒鮨』の鮒を漬ける絶好の時なのだ。

二村さんが数年ぶりに「今年は漬けます」と宣言して、ニゴロブナ
の手配と、樽や"重し"を洗うなどの準備をしてきた。

メスのニゴロブナは彦根の漁師さんから塩切りで購入し、水道水で
よく洗い
、風通しの良い場所で天日に2時間干す。それから、樽に
炊きあがったご飯と清酒を鮒と鮒の間に入れて、何重にも層を作る。

蓋をして、このまま屋外に約4カ月放って置き、発酵させるのだ。

開封は師走の予定だ。前回は、とても美味しくて好評を博した。
今年もきっと上手く出来上がるに違いない。


1週間ほど前の夕刻、京都に住む長女から電話があり「明日に迫っ
た引っ越しの最後の詰めをしたいので、孫を見て欲しい」とのこと
だった。しばらく会えないし、と駆け付ける。

京都で最後の食事はカレー専門店でとる。ジャズ喫茶『YAMAT
OYA』の近くから東山まで、走る孫を追ったりおんぶしたりして
帰る。ある場所を通った時、孫が「ここでケガしたよ」と、歩きか
けた1歳の頃に、出ていた釘でケガをしたことを話した。

夜風は涼しかった。長女ら家族は、京都で6年以上も住んでいたの
だなと感慨深く思った。

それからさっぱり音沙汰が無い。私との名残を惜しみ、フェリーか
らも電話を掛けてきた孫だったのに。

環境が変わり、すべてが物珍しいのではと思う。電話はかけずに、
来週の帰省を待つことにした。

2019.0808