今年の会社互助会の一日親睦旅行は、「越前海岸・カニ三昧と温泉」
というものだ。26名が大型バスに乗り込んだ。
幹事役のちづちゃんが、さも当然のように出席やねと念を押すので
久しぶりに参加した。二村さんは「仲居さんがカニの身を取ってく
れる処ですか」と聞いてヒンシュクをかっていた。
冬の間に限り、滋賀県の天気予報は二分される。これは全国で唯一
の県であるとバスガイドさんが解説する。今日の天候も、湖北に進
むに連れ日本海側特有の重くたれ込めた雪雲で覆われていく。
多賀SAで短いトイレ休憩があった。バスに残ったのは二村さんと
私だけ。「これも血液型のせいかなぁ」と言うと「用も無いのに降
りる必要はありません。」と潔く答えたので安心する。この頃何か
と血液型のせいにされるので、同じ型の彼に連帯感を覚える。
海岸沿いの民宿からカニを茹でる湯煙が上がるのは、冬の風物詩だ。
岬は広範囲にわたって野生の水仙が自生している。強い花の香りに
春の訪れを感じるだろうと想像していたのに、暖冬で3週間も早く
開花時期を迎え既に終わっていた。そこで予定を変更して、
『蟹ミュージアム』へ向かう。蟹はふ化するとプレゾエア・ゾエア
・メガロッパ・カニと進化するのが、ポケモンみたいだと思った。
乾杯の後はすぐに静かになる。カニの刺身・焼ガニ・茹でカニの順
にいただくが、鍋に移る頃には草臥れてしまった。美味しいけれど。
雪の降る日本海に、少なくないサーファーがいることに驚いた。髪
の毛が凍るのに!反面、この歴史ある漁師町は後継者がいないらし
い。夕刻の時雨れだした空の色が、一層鄙びた漁村に見せていた。
2005.0108