上空−36度の寒気団の朝、若杉さんがデザイン室前に横たわる鳥を
発見した。35才・男性・元ラグビー選手にも弱点がある。鳥や虫が
触れない。スズメが死んでると事務所のちづちゃんに助けを求めた。
雌のルリビタキだった。しかも、まだ生きている。
「伊丹空港から1時間ちょっとで来れるんですね」と、小山市の
取引先の社員さんがいらした。女性が一人レンタカーでよくこんな
僻地まで、と感心すると「人に会えるから各地を廻るのが好きで、
またその人達から元気をいただくのが嬉しい」とおっしゃった。
彼女の会社では、”母の日”前に300人のパートさんを雇う。
何十万鉢の花を出荷するのだ。ベルトコンベアーなどの機械より
「うちは、人・人・人作戦なんです」と微笑まれる。
応募の人全員を、必ず社長が面接するという。挨拶の出来る人が
採用のポイントらしい。生きている花を、プレゼントの想いのこも
る花だからこそ、常識的で覇気ある人に扱ってもらいたいのだろう。
熊本県から、お忙しいスケジュールの合間を縫って、各地でレスト
ラン経営をされている方がいらした。
食器として使える+gの商品をお買い上げくださった。翌日は、お
店の庭を担当する庭師さんも合流されて一緒に他の窯元も見て廻る。
『感性』を大切に、が主なお話の内容だった。
感性という抽象的なものを何で培っていけばいいのか。勉強さえ
手探りで、デザインや思いつきの取捨選択も賭けのようなものだ。
その不確かなものを頼りとしているプラスガーデンだが、いつも
芽吹くような気持ちを暖めているのは確かなことである。
2005.0208