長引く寒気で、今年は梅の開花が遅かった。
　
”今日降りし雪に競ひて”庭の梅は咲いた。家持の歌のような情景
の朝、次男は中学校の卒業式を迎えた。

1２６名全員が黒い髪に整然とした身なり。この校風が保たれてい
るだけでも稀だが、学年主任は「この学年は何事にも熱心に取り組
み、感動しました」と言われた。私もしみじみ嬉しさが込み上げる。

清々しい式典が終わる頃には、薄雪も溶けて眩しい陽が射していた。

　
その４日後の今日は長女の大学の卒業式。こっちは来たくなかった。
　　
朝9時から夕方6時まで学校に居て、最後の一年間で72単位取った。
事務局の人は驚いてる。永く会ってない同じクラスの子も驚くに違
いない。不可能を可能に！帳尻合わせる私はホントよくやりました！

彼女はしたり顔だが私はどんな顔をすればいいのか。２年間で必要
単位を取る人はいるが、これは奇跡の卒業だ。そう思えば感慨深い。

キャンパスは満開の紅梅と白梅。色鮮やかな振り袖・袴の女子大生
の華やかさもここに極まれりといった感だ。午後３時、今出川通り
は、これから着替えて謝恩会に繰り出す彼女たちで溢れた。

やわらかな雨の匂いがする。御苑の木立は雨滴を貯めているようだ。
荷を下ろして身軽になり、私は素の自分に戻りつつある気がした。

このＨＰも今の形式から卒業する。新入社員の高山さんに、手始め
は”カタログの商品を全部載せること”を依頼したところ、ブログ
にする方が使いやすいと言うからだ。

変化にこそ意義があると思う私は、新しい事を始めるのにやぶさか
でない。一歩踏み出すすべての人にエールを送りたい。

2006.0318