台湾の農糧署と日本の米業者が主催するフォーラムで、お茶を点て
ることになった。茶道を知る人はいないだろうから適当でいいんで
すとおっしゃったが、そうはいかぬ。差し当たり釜はどうするのか。
裏千家淡交会国際部に頼んで、台北支局の先生を紹介していただく。
さすがのネットワークで心強い。在住40年の大沼先生は快諾してく
ださった。支局と会場が近かったので御園棚と水指しをお借りする。
準備の途中で足りないものを次々に貸していただき、先生も午後か
ら訪問着に着替えて、裏方と点て出しまでお手伝いしてくださった。
今、日本の米は美味しいと台湾で人気だ。それに朝宮茶と信楽焼が
色を添えるという企画。お茶席は大沼先生のお蔭で大成功に終わる。
プラスガーデンのコキアの白い碗に点てた抹茶は「台湾の気候に、
爽やかに映ります」と好評だった。また初めての方は、ふわりと泡
立つ上質の抹茶に、苦いという先入観を払拭していただけたようだ。
両国合わせて約120名が広東料理で夕食会。右隣の方は、十数年間
裁判官をしたのち、最近弁護士事務所を開業したとおっしゃった。
彼は食事もそこそこに「営業しなくては!」と、日本人席の大部分
を占めるお百姓さんと米やさんに名刺を配っていた。
私は台湾某TV局の担当者と商談が済んだので、ゆっくり食事を愉
しんでいたが、主催の社長に「異業種でもナンでも名刺を配れ」と
ハッパをかけられる。会場一番前の台湾人の円卓で挨拶すると、肥
料・醸造・米関係の名刺が集まった。
プラスガーデンのカタログ50冊と名刺15枚は、何か変化をもたらす
だろうか。元判事の弁護士の顧客増と同じ程度の確率かと思われる。
2007.0117