「節分」の日、三井寺近くの料亭でお祝いの会があった。35人の女
性がきもの姿で膳に付く光景は壮観で、大広間はすっかり春だった。
お祝い返しで、内側にお多福の顔を描いた抹茶碗をいただく。
食事後、幾人かで境内を散策した。
弁慶由来の大きな汁碗と鐘があり、遠い昔話の主人公が本当に居た
のだと改めて思う。また、天智天皇が産湯を使ったという高台の井
戸からゴボゴボと井泉の沸き上がる音が聞こえ、悠久に続いている
ことに畏怖を感じた。
翌々日は工場の新シャトル窯2基の点火式。盛り塩と酒で清め、社
員全員が見守るなか厳かに行なった。一基8立米の窯は、来月末に
もう2基出来上がる。工場も社員も、やっと活気づいてきた。
初窯で焼いたモノを使うと中風にならぬと、工場長は真面目な顔で
左馬と書かれた湯飲みを配り歩いている。
二十四節気では、節分は大晦日の意味も持つらしい。まさしく工場
は、新しい節目に入ったといえる。
2007.0205