第2回ホームファッションフェアはギフトショーと違い、明るいベ
ージュの絨毯が敷いてある上、通路が広いので会場に高級感が漂う。
売り上げの半分以上をインテリア商品が占めるようになったプラス
ガーデンとしては、新たな顧客獲得に相応しい展示会だった。
白い鍵盤だけのグランドピアノが注目を集めていた。黒鍵が無いか
ら上達しやすいと解説しているが、ショパンをあれだけ弾ける練習
をするなら普通のピアノでも弾ける。目印の絆創膏のような白テー
プは黒の方が分かり易いなど、3日間話題の中心となった。
♯と♭のある曲は移調するのだと何度説明しても、二村さんにはチ
ンプンカンプンだったみたい。
初日終了後、東京ミッドタウンへ行く。安藤忠雄と三宅一生の何か
と、チェコのガラス作家ボレック・シペックのガラスを見る予定だ
ったけれど、皆に捜す気力が残ってなくて早々に出る。
ヴィーナスフォートも六本木ヒルズもここも、そう差はないと思う。
最終日。伸縮性のある黒のロングスカートを、若杉さんが珍しく褒
めてくれた。調子に乗ってヒンズースクワットをしたら、あとから
来られたお客様に「体操のオネーサン」と声を掛けられる。
奇行は疲労のバロメーターだ。そろそろお先に帰らせてもらう。
乗ったタクシーの運転手はお婆さんだった。「よく会社を替わる運
転手は、それを繰り返す。事故を起こす運転手は、しょっちゅう起
こすもんだ。」と、しわがれ声の含蓄ある言葉を聞く。
桜並木を見て、きれい!と漏らすと「綺麗かねぇ?年々、桜色じゃ
ないよ」と言われる。花は寒空をバックに、余計に白く見えた。
2007.0406