中学校を卒業して以来、初めての同窓会があった。

幹事長の名前は覚えていても顔は思い出せないと、女友だち数人と
連れだって行く道中からして始まっている。遠くから帰って来た人、
近くても一度も会えずにいた人たちに再会して、賑やかな受付場だ。


当時、教師3年目だった奥野先生は13才年上。今となっては、そう
年上に感じない。私はまだサイン・コサイン・タンジェントだけは
覚えている。先生は、とても印象に残る学年だったとおっしゃった。

英語の隠岐先生は、中1の教科書の挿絵の女の子・ジェーンにそっ
くりだったので「オキ・ジェーン」とあだ名が付いた。ついでにフ
ランクと付けられた生徒は、今も「フランク!」としか呼べない。


かつて私は、インテリか不良か変人の3種類にしかもてなかった。
そんなパンの耳みたいな層はこういう会には来ないから、会える確
率は更に減る。

が、生徒会長で秀才でバスケット部のキャプテンだったF君が登場!

自己紹介の時「今の掛け声で、生徒会長をしていたことを思い出し
ました」と言うくらいだから、私に出した手紙など片鱗も覚えてい
ないだろう。自責の念に駆られると可哀想だから黙っておく。


すでに孫のいる人もいれば、今年初めての子供が生まれるという人
もいる。私立大学教授のK君は少子化なので受験させろ、枚方で飲
み屋のママをしているAさんは店に来いと、各々熱心に宣伝をした。

今や私の義弟という立場になったMは、仕事で来られなかった。

彼の友だちに「Mは20年来、私を”お姉ちゃん”と呼んでいる」と
自慢げに云うと、大層Mを気の毒がったのはどうしてだろう。

2008.0218