感動する!”よいやさあ”の掛け声を聞くとゾクゾクすると、舞妓
さんが茶道教室の稽古仲間にいるアサコから、今年も『都をどり』
の誘いを受ける。宣伝係は「春はここから始まります」と云った。
桜は今が満開。嵐の翌日は陽射しが暑い晴天になり、翌日は、また
一転して肌寒さに重ね着をする、めまぐるしい日々が続いている。
日程も、東京からの来客があった後に東京へ出張する慌ただしさだ。
仕事が済んで、日本橋三越の7階の美術サロンに立ち寄った。中里
逢庵の陶器は、自信満々にどうだ!と云ってるように見える。
むかしある陶芸作家の家で、素朴な一輪挿しの唐津に惹かれて手に
取ると、「それは12代目中里太郎右衛門だ」とおっしゃった。
当たり前の事だけど、同じ名前を受け継いでも作風は個性によって
違うのだと思う。紹介文に、中里逢庵は13代目とあった。
CMの云う17世紀のフルハイビジョンがフェルメールなら、21世紀
の日本のそれは塩谷亮か。まるで写真のような女性ばかりだった。
中央のホールではミニコンサートが開かれていた。『サン・トワ・
マミー』で足を止める。最近『聞かせてよ愛の言葉を』で有名にな
った佐々木秀実だ。『セ・シ・ボン』『愛の賛歌』も立って聞いた。
帰りに日本橋丸善でコーヒータイム。京都店にはよく行ったが、こ
こは初めて。外壁のローマ字の看板は、新築した親戚の家の浴槽が
ステンレスだった事を思い出させた。良いのかどうか、分からない。
三越で聞いたシャンソンは唄っていた。”あなたに出会った4月の
空は、薔薇色の雲が流れていた”と・・・。葉桜になった街路樹の
上の空を見上げて、しばらく甘い色の雲を探してみる。
2008.0411