ここ10年来、夏バテ防止に毎朝、畑で採れた完熟トマトをざく切り
にして、三温糖かハチミツを入れたトマトジュースを飲んでいる。

今年は遅い梅雨明けから、猛暑→大雨→猛暑→台風の1週間で、夏
バテというより天候の変化に躰がついていかない。

そんな時には鮒寿司だ。特にこれのお吸い物が効くような気がする。
2,3片を碗に入れ、少しの醤油を垂らして熱湯を注ぐ。

滋賀県水産課の調べによると、材料となるニゴロブナの漁獲量は19
88年に198tが、1997年には18tにまで減っているという。鮒寿司を
好む人は減る一方だろうから世情に則したというべきか。


京都・五条坂の陶器市に、土曜日の夜に行ってみた。清水焼の食器
が並ぶ通りは、各窯の産地の作家のテントが多い。手のひらに納
まる大きさで、白磁に手描きの雲竜模様の湯飲みを買う。

先日の陶器供養市で隣にいらした大阪の作家さんを見かける。「前
より(売上げは)良いですか?」と話しかけると、笑って頷かれた。

宣伝文には”約400店舗の出店で50万人の人出”とあったが、主催者
に伺うと、人出は過去40年間で最低らしい。

消費を控えるムードや、天候のせいもあるだろうけれど、食器を必
需品と思う人が少なくなっていることが主な原因ではないかと思う。


色白で涼やかな目元の波佐見焼の若い女性作家と話す。薄い藍色で
葉を描いた器と白磁の器が半々並べてあった。人=器そのままだ。

減る人口、多彩に拡がる趣味趣向を、商売上悲観的に捉まえる人も
いるが、陶太されて残るもの、これから生み出されるものは、より
素晴らしいのではないかと楽しみに思う私だ。

2009.0809