先日、某会社社長である才色兼備のタラちゃんが、某大学のT教授と
一緒に伊賀市まで来たついでに寄ってくれた。

日本に住んで20年になる中国人女性のT教授は、流暢に日本語を話さ
れる。窯業工場の見学は初めてとのことで、熱心に見ていただいた。

事務所に戻り、私が紅茶を入れている間に社長と工場長が接待した。

工場長が信楽の歴史などを数枚コピーして手渡している。これは、
よほど気に入ったお客様ってことだ。仕事でなく個人的な私の客に
は、通常「ども」と最短の挨拶をドア越しにするだけだもの。

「タヌキが年間5万体売れるのが信楽です」と工場長が説明すると、
T教授は「生きたタヌキが!?」とおっしゃった。”信楽といえば狸の
置物”という私たちの常識は、世間一般の常識ではないのだ。


帰路もタラちゃんがドライバーだ。見送りに出て、「これレンタカ
ー?」と聞いたら、社長があわてて「すみません。彼女は世間知ら
ずで・・・」と謝った。

タラちゃんは「レンタカーは”わ”なのよ」とナンバープレートの
端を指して教えてくれた。そうか、知らなかった。本社は岐阜なの
に品川ナンバーだったから聞いたまでだ。

「メルセデスのレンタカーはないと思います」と、あとで二村さん
は言った。そんなことで怒るようなタラちゃんではないよ。

新聞と本、けっこう読んでいる。なのに追いつかない”世間知らず”
ってナンなのかって疑問は残る。T教授が信楽焼の狸をご存知なか
ったのと同じようなコトじゃないの?

2009.1123