『子供たちが、遊んでほしくてたまりません』と書かれた、6歳下の
従姉妹からの年賀状が心に残り、使命感に駆られて電話を掛ける。
皆で恒例の百人一首のカルタをするが、高校2年と中学3年の兄弟は
どうも気が乗らないようだ。「何か他にしたいことがあるの?」と
聞くと麻雀と答えるので、私の母を誘って4年ぶりの雀卓を囲んだ。
ふたりとも、すでに麻雀の点数計算まで出来る。長男のKクンは
”謙虚=気が弱い”みたいな性格になっていて「ボクは運がないん
です」と言う。勝負の前に言うか?それとも作戦か?
ハンサムで「モテモテのプレイボーイ」と兄が評する次男のMちゃ
んは、開口一番「ボクのお母さんより年下でしょう?」と言った。
彼らに教えた先生が優秀なのか、動作も良く綺麗な”手”を作る。
けれど、私は体力も気力も漲っているので満貫を何度か重ねた。
Kクンは早くも諦めムードで将来まで悲観的だ。男子校の今は兎も
角、『女性と縁がないのでは』というのが最大の悩みのようだった。
Kクンの趣味は油絵。たった一枚の絵や写真、奏でた一曲の演奏に、
心を奪われる女性はいる。”素晴らしい世界を持つ人”という思い
込みは、朴訥な顔や人柄を神秘的・魅惑的に見てしまうものだ。
でも、そんなことを言って励ましていると集中力が欠ける。「医者
か弁護士になるしか道はないですね」と脅しつつゲームを続けた。
最後の親である私は、”發”のドラを2個含む七対子(チートイツ)
でリーチをかけた。即、右隣のMちゃんが ウーピンをふってくれ
て、12000点以上になったはず。はずというのは、計算が待てずに
喜んで飛び跳ねていたから。断トツの一位で、今年は幸先が良い。
2010.0102