七月に入り、去年の三倍ほどの速さで日々が過ぎていく。中身の濃
い日常を過ごしているのだろうか。
コーディネーターのN先生からお誘いを受けて、仕事が終わってから
神戸のオリエンタルホテルへ向かう。展示会の打ち合わせも兼ねて
いるけれど、おしゃべりは夜中の2時、3時まで・・・。
この由緒あるホテルは、阪神大震災の後、今年ようやく建てられた。
「確かここはアベジョウジのお父さんが社長をしてた時がありまし
たよね」「そうそう」という会話を聞いても、きっと知らないだろ
う若い女性たちがスタッフを務めている。
ロビーの案内係の女性は黒いパンツスーツ姿、食堂のウェイター係
りは、パリのそれのように白い仕事着に黒のロングエプロンを腰の
低い位置でキリリと締めている。
調度品や食事が素敵な上、働く女性の誰もが清潔感にあふれ、凛々
しいたたずまいが爽快な気分を与えてくれた。
前夜、夕食に出掛けた中華街は午後8時を過ぎるとひっそりする。
入り口の立派な門は「友愛」とあるだけで、ナンだか薄っぺらく見
えた。
半年ぶりの京都での展示会は、常連のお得意様と話が弾んだ。また
十分な手ごたえがあり、来春の見通しが立って嬉しかった。
地元のお祭りには義父母を食事に招く。食が細くなったと言う83歳
の義母を心配していたけれど、私よりよく食べるので安心した。
それに、今も座右の銘が『憂きことの なおこの上に積もれかし
限りある身の力試さん』と聞いて恐れ入る。
2010.0726