今回の京都の展示会は、気分一新で挑む。
まずは早起きして、大阪・豊中まで花を仕入れに行った。枝物をは
じめ種類が多いのは来た甲斐があるというものだ。
一番目立つ位置に実付きのラベンダーを。新製品の「ヨーク」は黒
地を生かして、白から水色・ブルー・濃い紫へグラデーションを考
えて手に取る。「フォンテ」にはオレンジ色と鮮やかな黄緑の対比。
搬入日は台風が接近していた。そんな中を、並川先生はアドバイス
に来てくださったうえ、「日本一のうなぎ」と看板にある逢坂山の
『かねよ』で夕飯をご馳走してくださった。
この店は30年前に訪れた事がある。庭も雰囲気も全く変わってない。
店内の備え付けのパンフレットに、近くの蝉丸神社が紹介してあっ
た。幼い頃の百人一首の坊主めくりで蝉丸が出てくると、「キャー
!」と叫んでいたことを謝りたくなる、悲壮な生涯が書かれていた。
台風のため新名神が通行止めになり、通常30分で帰るところを2時間
半かけて帰宅。お客様はいらっしゃるだろうかと心配していたけれ
ど、当日自分が行けるのか不安がよぎった。
台風”マーゴン”は急カーブを描いて西日本を逸れた。京都の朝は
陽が射し、隣の京セラ本社の庭の木々には蝉時雨が降っている。
和歌山・四国地方に被害が甚大だったせいか、去年より500人ほど
少ない初日だったが、手ごたえはまずまずだった。
「引き合いが多くなったのは、ニーズに合ったカタチと価格になっ
てきたからだ」とのご意見をいただいた。嬉しい反面、トガったデ
ザインを作り続ける気概を忘れたくはない。
2011.0720