恒例の京都の見本市は今回で80回目、年2回の開催だから四十年間
続けていらっしゃることになる。
前日の記念パーティが”ホテルオークラ・京都”で行われた。20人
ほどの芸妓さんと舞妓さんは、単純な私を『今年は景気の良い年に
なるのでは・・・』と思わせるに充分だった。
二日間とも天候にも恵まれ、来場者も多く賑わった。”新製品は客
寄せにはなるけど、すぐ販売に繋がらない”という都市伝説を覆し、
新製品の注文は好調だった。
この新製品を信楽焼に限定したのは、輸入品との違いを明確化する
ためだ。今は輸入価格の高騰は円高で調整できているが、納品の不
安定さが命取りになるカタログ販売会社には安心していただけた。
去年まではプレーンな形が人気だったけれど、今年は華やかなもの
に移ったようだ。だが、中間色での癒しより、強く励まして欲しい
心の表れか濃い緑色が人気で、これは暫く続きそうな気がする。
ここ2,3日、日本海側に大雪が降ったり、首都圏や富士山周辺で大
きな地震予想が出たりしている。反面、甲賀は例年より雪が少なく
積雪のため出勤で困るようなことはまだないのが不思議だ。
どちらにせよ、いろいろ案じて沈んだ気持ちになるのは、震災以降
の不安が増長しているせいだろう。
そんな時、私は古典の世界にもぐりこむ。眼を閉じて静かな湖畔に
身をおき、耳を澄ませて安らぎを覚える。
舟出する比良のみなとのあさごほり
棹にくだくる音のさやけさ(顕昭)
2012.0128