初めて出展した『JAPAN SHOP』展示会は、盛況のうちに終わった。
思っていた以上に反響があったのは嬉しいことだが、それ以上に、
何事もなく終了したことに安堵感を覚えた。
去年の、この展示会最終日に東日本大震災が起こったのだ。
周りの出展社の人たちは、口々にその日のことをおっしゃる。
「例年は電車で帰っていたが、去年は社員全員で乗るクルマをチャ
ーターしていたのが幸いだった。15時間かかって帰った。道中のコ
ンビニエンス・ストアの棚はカラッポで、飲まず食わずだった」
当日帰る予定の大阪の社長は「偶然品川に息子が泊まっていたので、
会場タクシー乗り場で5時間待ち、タクシーで品川近くまで4時間乗
り、残り1kmを歩いて朝4時にホテルに着いた」などの話を聞いた。
ゆりかもめが止まったので、ビックサイトにも多くの来場者が泊ま
ったそうだ。しかし、誰もが人的被害の無かったことを有難がった。
Twitterが縁で、小田原から会いに来てくれた人がいた。バイタリ
ティ溢れる女性だった。こういう出会いもあるんだなぁと思った。
撤収に、長男と次男が来てくれた。いつの間にか手伝えるほどにな
っていたのだなと思う。次男は「日本の焼き物として、”信楽焼”
を誇れる仕事で嬉しく思う」と言った。
帰りの新幹線で『ありがとう300系引退記念弁当』を食べる。300系
がデビューしたのは1992年。ちょうど私が仕事をし始めた年だ。
当時は車内公衆電話があり、アナウンスで呼び出しがあったことを
思い出す。走る新幹線に電話が掛けられることに驚いたものだった。
仕事と子どもの、この20年をしみじみと振り返る帰路となった。
2012.0308