隣近所で行く一日旅行は、バス会社の予定数に満たなかったので、
行き先が鳥取砂丘から高山市の山王祭に、変更となった。

初めから「高山なら行く」と宣言していた私は、喜んで参加するこ
とに。”日本三大美祭の一つ”の触れ込みに興味を持っていたのだ。

隣家の伯父も一緒だ。iPhoneを触っていたら「今日の日経平均は?」
「iPadは、どのように使っているのか」と聞いてきた。たぶん誰も
伯父を80歳とは思っていないだろう。

良いお天気に恵まれ、途中のSAはどこも桜が満開だ。バスは順調に
岐阜に向けて走り、標高の高い山には雪がまだ多く残っていた。


山王祭は、城下町の氏神様である日枝神社(山王様)の例祭だ。

総勢数百名の祭り行列の”御巡幸”や、”からくり人形の奉納”が
あり、町なかには絢爛豪華な12台の屋台が飾られていた。

最初に出会った『麒麟台』の彫刻を見ただけで、このお祭りのグレ
ードの高さが分かった。「籠と鶏、唐子と犬の鎖が、一本の木で彫
られているんです」と氏子の方が胸を張っておっしゃった。

”御巡幸”の衣装をまとう人の着こなしに、現代の人柄が出るのは
ご愛嬌だ。昔なら、装束(仕事)どおりの身体つきのはずだもの。
そういう意味で、この方々はしっくりと決まっていた。

お囃子はゆったりしたリズムと音色で、全体に上品な感じが漂って
いる。わくわくして待ちきれない子どもたちが微笑ましい。立派な
祭りを後世まで伝承してほしいものだ。


集合時間まで、酒店・蕎麦店などで買い物を愉しむ。城下町らしく
様々な店がまとまっている。次は、もっとゆっくり散策してみたい。

2012.0418