縄文時代が一万年以上あったなんて、覚えてた?
ミホミュージアム『土偶・コスモス』展は、想像以上に面白かった。
国宝3点を含む縄文土偶220点が全国からやって来た、という副題。
“縄文のビーナス”は、妊娠している状態を表すのか、お腹が膨ら
んでいる。中に土製の玉があり、振ると音がするらしい。神秘的な
生命の誕生を表現するのに、工夫を凝らしたのだなぁと想像する。
折良く、“遮光器土偶”を中心にした学芸員の解説が始まった。
遮光器土偶は、目が大きく肩の張った体形が特徴で、北日本から北
海道で発掘された、縄文時代の中期〜後期の土偶を指す。
顔の特徴の変遷が分かるよう一列に並べてあるが、隣の土偶との差
が500年てのがスゴい!室町時代から今日までを一括りなんだから。
5000年前の土偶を、3300年前にアスファルトで修理している跡があ
るなんて。今で例えるなら、ご神体・仏様扱いだったに違いない。
『みみずく土偶や金生遺跡の作品など、人間離れした土偶は何を意
味するものでしょう』とパネルにあって、そりゃあ宇宙人ですと心
の中で答える。人間をデフォルメしているのと、明らかに違うもの。
遮光器土偶も宇宙人を表わしてると思う。眼が大き過ぎるでしょ。
土偶以外の展示では、繊細な曲線の立体的な耳飾りが印象深かった。
また、土器の壺の完璧な美しさや、点描・渦巻などの文様は、縄文
時代でデザインの全ては出尽くしてるんじゃないかと思うほどだ。
深鉢形土器に突起が奇数で施されているのは、奇数を好む日本人の
特徴とあるが、海外の土器はどうなんだろう。東北地方に残るスト
ーンサークルなどの遺跡も曰くありだし。縄文時代は奥深いよね。
2012.1105