よく晴れた土曜日の午後。5年ぶりの中学校の同窓会は、会うのが
中学を卒業して以来の人が何人かいて、受付でどよめきがおこった。

何年経っていようと誰かすぐに分かるが、孫がいるかも知れない女
性に、昔どおりのあだ名で「ゴリ」だなんて、とても呼べない。

私がクジを引いた卓は、奧野先生を含む6人テーブルだった。

「先週式を挙げた娘は、田圃の田舎道で、出会い頭の事故の相手と
結婚した」のは良いとして、「娘の住むハノイへ家族で遊びに行っ
た時、義父が客死した」「9月に夫が亡くなった。息子たちが気分
転換に参加しろって」「10月に勤めていた会社が閉まり、今は無職
だよ」を、なぜか皆、笑顔で話した。

二次会でも秘蔵話や曝露話で賑わったのは、同窓会の特徴だろうか。

女子は元気で華やかだけど、男子はどこか草臥れていて、”よく頑
張ってるよね”と、肩を抱いてあげたい気持ちになる人が多かった。


家に帰ると、数人のお客様がいて、主人と次男がバーベキューで
もてなしていた。

手土産に、午前中に釣ったと言う南郷水産センターの釣堀のニジマ
スがあった。料理されて、刺身と焼魚になっていた。申し訳ないけ
ど、私は食べなかった。

南郷に住んでいた頃、子どもを連れて行った水産センター。濃い緑
色に濁った水の中にフナがいたのは釣堀ではなかったか。今はキレ
イと言われても、イメージはそうそう拭い去ることは出来ないのだ。

2012.1124