長女の結婚が決まった時には、万歳をした私だった。

オアフ島で一番古い教会での挙式には親戚も来てくれて、和やかで
楽しい一日を過ごした。ハワイは雨期だが、結婚式は快晴に恵まれ、
爽やかな風が気持ち良かった

なのに、結婚式が終わると何だかしょんぼりしてしまった。


21年前の夏休みの家族旅行で、幼い子どもたちとハワイへ行った。
当時の写真を、未だ私の部屋に飾っている。5歳の長男と8歳の長女、
1歳に満たない次男が、プールサイドでくつろいでいる。

教会の庭で、写真と同じ立ち位置に並ぶ兄弟を見ていると、嫁にい
かない娘の親は、こんな寂しい気持ちになることは無いのだと思っ
た。娘が嫁ぐのを羨ましがる人には、表裏一体であると言いたい。


何かと便利だろうと、ホテルの部屋を、夫婦と子ども2人を繋ぐコ
ネクティングルームにしてもらった。

しかし夜中まで遊ぶ息子たちの実態を聞くと、心配のあまり、三晩
目からはさっぱり眠れなくなった。出たり入ったりする音が聞こえ
る度に、何かあったのかと不安になるからだ。


ハワイ島に行った時はレンタカーで廻った。私も約200kmの道のり
を運転した。まだ島に2箇所しか信号のなかった時代だ。

オアフ島は数車線あるし、多々一方通行がある。京都に住む長男な
ら適応力があるだろうと運転を任せ、次男と三人で出掛けた。

FMラジオから聴こえるレゲエを音量大きく、フリーウェイを飛ばす。

注意しても聞こえないのか。フォードのオープンカーの後部座席で、
つくづく年月の経ったことを実感した。もう私の子どもはいないと。

2013.0228