バレンタインデーの金曜日、関東地方は数十年ぶりという大雪は、
滋賀県南部に影響があり、甲賀市は30cmほど積もった。


翌土曜日、ほとんど雪の溶けた草津市へ、“フランス料理とJAZZの
ライブ
”に行く。音楽を聴くのは心にゆとりがあるってことだ。


月曜日、カタログ作成とかまーとの森の会議。考えをまとめておき、
要領良くテンポ良く進める。10年前は時間を無駄にしていたと思う。


火曜日、二村さんと大阪へ出張。二村さんは、東京・名古屋・京都
も例に出し、都会の駅ビルはどこも変わりばえしなくなったと言う。


けれど、大阪グランフロントの一部通路に紙垂が貼っていて、なん
となく大阪らしいと思った。夕方、長男と合流して食事をしながら、
夜9時まで『かまーとの森』のランチメニューの検討をする。


水曜日、午後から茶の稽古。雪を被った紅い椿が描かれた筒茶碗で
薄茶をいただく。なんて時候にぴったりな柄なんだろうと感心する。


金曜日、贈答用に菓子器を購入するため、ある作家宅に伺った。
ショールームへ向かう坂道の竹藪や木立の幹が、雪解けの後でとっ
ぷりと水分を含んでいるのを見て、雨水の頃だなと感じた。


包装してもらう間、「あなたもやりませんか」と作家に陶芸を習い
に来ていた男性がおっしゃる。絶句。考えたこともなかったわ、私。


夕方からは信楽の山奥の多羅尾温泉に泊まりに行く。会社から車で
30分の距離なのに、信州のような雪景色だと友だちは驚いた。


夜の雪景色は、場所や時間を超えて繋がっているように思える。


手に取ったつららの硬さや、口に含んだ冷たさを知った小学生の頃
の私が、現れるのではないかと暗闇の向こうに目を凝らしてみた。

2014.0222