目的地をGooglemapに入れると走行距離は『99km』と出た。

休憩なしで行けるだろう。疲れても、先日、広島からスズキハスラ
ーで600kmの道のりを走って信楽に来たミナコさんの比ではない。

清々しい青空が広がる朝、私は弾む気持ちでクルマに乗り込んだ。

「によつぽりと秋の空なる富士の山」「むかしから穴もあかずよ秋
の空」と最近知ったばかりの俳人、鬼貫の句を思い出す。

今日はYさんと来年のことを話し合うのだ、夢と希望の。

さて、柔かで話題豊富なYさんと話すと、時間は瞬く間に過ぎてい
く。お昼は小牧市まで足を伸ばして、店内も素敵なしつらえの
イタリアンの店に連れて行ってもらった。

そこから戻って、また帰る時間まで話し続けても、お互いまだまだ
話し足りない心境なのだ。まるで高校生のように。

でも高校生と違うのは、絵空事や遠い未来ではなく準備すれば近い
うちに実現可能な点だ。Yさんとの出逢いは3年前だけど、やっと機
が熟してきた感じがする。


翌日、母の白内障手術は午後1時からだった。30分前に病院に着く。
一ヶ月前に右眼をしたから、今度はそう不安がることもないようだ。

甲賀病院は新築間もないので清潔感に溢れている。母は朝から何も
口に入れてはいけないらしいが、私は早速自分のお弁当を食べる。

手術が終わって車椅子に乗って母が病室に戻ってきた。看護師さん
がギョッとして名札を見直している。快適なベッドで寝ていた私。
「もう終わったの?」と驚いたが、小一時間は経っていたみたい。

術後二時間は付き添ってあげた。一応、任務は果たさないとね。

2015.1028