『かまーとの森』を営業してようやく三年、友の会会員は千人を越
え、お礼の言葉と共にカレンダーを配布した。こんなに多くのお客
様にご入会していただけたのだと感謝しながら宛名シールを貼った。
振り返れば、お客様以外に周りの人にも助けられた。
駐車場への道路を舗装し直すきっかけは、隣家のおばちゃんだった。
途中コブのような段差があり、「その原因を作ったのは自分だし共
同の道でもあるから費用は半分出すよ」と有難い申し出をしてくだ
さったのだ。客足が増えるのを見て、気が気じゃなくなったそうだ。
車高の低い車は底を擦ったのに、世の中には天の邪鬼な人がいて、
「えっ?こんな場所にある?の隠れ家的存在が薄まった」と言われ
たりしたが、リピートのお客様の99%からはたいへん喜ばれている。
鹿と知恵比べしながらの庭の管理、池からの水路掃除などを一手に
引き受けてくれるのは、ブラジル生まれのワタナベさんだ。庭は鹿
の敬遠するクリスマスローズとハーブ系が根付いた。
ご主人の転勤で福岡に引っ越された橋本紀子先生のワイン教室は、
最後はキャンセル待ちが出るほどの人気になった。ワインを通して
拡がったお客様が財産だ。
マルシェに参加してくださった手作り服の方に、スタッフのエプロ
ンを縫ってもらったり、お菓子作りの方にイベントで提供するマフ
ィンなどを焼いていただいている。力強いブレーンだ。
本業である信楽焼の業者間の話もギャラリーの一角で対応している。
小売の販売状況が見渡せるので、具体的な発想が湧く効果があり、
それをすぐ試せるのも利点だ。今後も大いに実験していきたい。
2016.0328