観音様を間近で見ると、まずその大きさというか質感というか、視
覚でなぞる。それから厳かな気持ちになったり、観音様の手と繋が
った絹糸を触ると願い事が届くような気がする。

石山寺の本尊・如意輪観世音菩薩が、今年33年に1度の御開帳にあ
たっていた。緑が滴るような森の木々に囲まれた境内は、すでに別
天地だと思わせる。

帰り道に、頭が金色で尻尾の青までグラデーションの美しいトカゲ
が何かの化身に見えて驚いた。また山門に這うカタツムリも今では
珍しく、きっと大昔からの自然が守られているのだと思った。

年初めの櫟野寺に続いて、通常直に拝見することの出来ない観音様
と遇う巡り合わせを不思議に感じた。


石山寺参詣以外にも、展示会地元の祭など連日忙しく過ごした。

特に嬉しかったのは展示会の売上が好調だったことだ。『黒板植木
鉢』
と銘打った鉢は、チョークやマジックで自由に文字や絵を描け
る面白さがある。今流行りの「タイポ」と略されるタイポグラフィ
を植木鉢にも、という訳だ。

他にもカラフルな小さめの鉢マクラメと組み合わせた鉢など、時
代に添った商品開発だったためと思われる。

  
お祭りには家族が揃ったが、それ以上に子どもたちや私の友人が次
々に訪問してくれて一層賑やかになった。

なかに挨拶もそこそこに玄関から仏壇に直行して拝む人がいた。聞
けば東本願寺のお坊さんになった次男の大学時代の友人とのこと。
母は有難がって、その人に手を合わせていたのが印象的だった。

2016.0728