情熱のかたまりの人を見た。50歳のおっさんで。

この年齢で、今まで生きてきたすべてをあけっぴろげに見せてる人
ってそうはいないと思った。

どんな人なのか形容しがたいし、ここで公開するのも憚られるのだ
けれど、衝撃があった。久々の『人を見ての衝撃!』。最後には、
人はこんな風に生きるのが本来ではないかと思ったくらいだ。


ある方の強力な勧めで、名前も知らされずにライヴハウスへ行った。
YouTubeなんかで見るとダメだ、まっさらな状態で行かなきゃと。

新幹線の高架下にその店はあった。小さな狭い玄関でスリッパに履
き替え店内に入ると、すでに10人ほどの男性が座っていて煙草の煙
で白くかすんでいた。前座の人の唄と煙で、来たことを後悔した。


1時間後、その歌手が登場。一変する空間。エレキギターを持ち裸
足で歌うあれこれ。ロックもブルースも圧倒される歌声とギター。

西成や放映禁止になった福島の唄も、至極真っ当なことを歌ってい
て何故禁止なのか分からなかった。曲もメロディアスで良かったし。

自分のアンテナに引っ掛かったあれこれを歌にしているのだ。メッ
セージ性が強いから力を入れて歌えるのだし、まさにロッカーの鑑。
純粋な心を持ったまま、ますます澄みきってるんじゃないかしら。

この18人で満員御礼のステージも含めて年間220本をこなしている
パワーはどこからくるのか。毎日が正念場みたいな雰囲気を見て、
まだまだ私は手を抜いてると反省した。

実のある・厚みのある・本物、その人を表す形容詞は思いつかず、
見た衝撃だけが跡をひいている。

2016.0828