今月開催された"まちなか芸術祭"は、盛況のうちに終わった。
"勅旨焼"という茶器作りの伝統が受け継がれている地域でも、朝宮
茶とのコラボレーションで、美味しいお茶の淹れ方教室が催された。
朝宮茶の仕事に従事している人の勧めもあって、講習を受けに行く。
信楽の『朝宮茶』は、時代を担う若手の活躍が顕著だ。例えば日本
茶を知ってもらうために、日本茶インストラクターの免許を取って
広報活動をしている。
お茶の由来から始まった。最澄が茶の種を唐より持ち帰り、近江の
地・坂本と朝宮に蒔いたとされる。宇治茶より400年も歴史が古い
のにネームバリューで負けていると残念そうだ。
小学校で講習をしてお茶の種類を尋ねると、麦茶・ウーロン茶に続
いて"おーいお茶"と言う子もいて笑えないという。さもありなん。
私も、20代女性に『茶托』が何かを尋ねられたり、40代女性に日頃
ペットボトルのお茶しか飲まないから、どれくらいの茶葉を急須に
入れるのかと聞かれたことがあるもの。
次に10種類ほどの茶の銘柄の説明があり、茶に応じての淹れ方が最
も肝要と教わる。煎茶は沸騰した湯を約70℃に冷してから淹れる。
別の容器に入れると15℃下がり、また別に移すと15℃下がるらしい。
1.2分待ってゆすらず静かに注いだ煎茶は、甘みとコクがあり且つ、
すっきりしたあと味だった。最後の一滴を入れたのち急須の蓋を開
けておくと、2回目も美味しく飲めるそうだ。
勅旨焼の急須も現代的に進化していて細かな仕事に驚いた。信楽の
家業を継ぐ若い世代が頼もしく、嬉しく思う一日だった。
2016.1022