最近聞いた講演で印象深いのは、日本のホワイトハッカー約10名に
入るお一方と、滋賀県の山村"奥永源寺"を盛り立てる方の話だ。
ハッカーはIT技術と欺術が凌ぎを削っている。犯罪を犯すブラック
ハッカーはお金のあるところからの大金の誘い、対してホワイトハ
ッカーは実害を受けたところから小額の報酬。
一緒に戦っていたホワイトハッカーが、10年後に3人減り(ブラッ
クに変わるから)、さらに10年後には5人いなくなるとのこと。
犯罪者は莫大なお金を手にすることによって技術が止まるのか、や
がて捕まえる事が出来る。犯人が元同業なんて悲しい話だが、「多
くの苦悩と学びが自己鍛錬となっている」と締めくくられた。
滋賀県における琵琶湖の面積は1/6で、森林は1/2を占める。湖東の
過疎化地帯"奥永源寺"の村おこしに奮闘する前川さんは若干29歳だ。
『宇治は茶所、茶は政所』の意味を初めて知る。外来種でない日本
古来の樹齢300年の木があったなんて。滋賀県民だから一度は政所
のお茶を飲んでおきたいと思う。
木地師文化発祥の地だとも知らなかった。ここから全国各地に移り
住んだ人が、会津塗・輪島塗・こけし・独楽を作ったという。
『あかねさす 紫野ゆき標野ゆき』は近江の地名だ。絶滅危惧種と
なった紫色を染める紫根「日本紫草」の種が、鈴鹿国定公園の山中
で発見され、標高500mの"奥永源寺"だから根付いたらしい。育て
た紫根で染められたポケットチーフの濃く気品ある紫色に驚く。
聖人のような方々と接したこと、身近に稀有なモノがまだまだある
ことを知って、とても満たされた気持ちになっている。
2017.0808