「みやざき中央新聞」を知って、ちょうど1年が過ぎた。この日の
講演で感動して、お試しの1ヵ月購読から定期購読者になった。

『良い話・感動した話・素敵な話』だけの、他に類をみない新聞だ。

でも、「感動する良い話ばかりって、私は今こんなに大変だから読
む気にならない、そんな時間も無いわ」と思う時期があって、1ヵ
月に3部送られてくる新聞を開けず、6,7部溜ったことがあった。

談志の落語の枕で、「いいことしか載ってねー新聞なんて読む気に
なるか?」ってフリがあったけど、ホントそうだよと呟いていた。


かといって読まずに捨てることは出来ない。気を取り直して読むと、
ぽろぽろ涙がこぼれて心が洗われるような記事に出会う。

例えば、孤児だった自分は努力して洋菓子屋を興し、積極的に施設
の子を採用した。菓子の質も向上させ、店頭に立つ社員の制服を海
外一流ブランドにした。すると、言葉づかいから身のこなしまで見
違えるようになり、「この服に合うような人になりたい」と言うま
でになった。この店で働く誇りは、人間まで変えるのだ。

美味しい洋菓子を世に提供するだけじゃなく、過去の辛さを払拭し
生きがいまで創造させる社長はすごいなぁと思う。社員の身になっ
て感動し、先達の経営者としては、ただ高い峰の如く仰ぐばかりだ。

しかし又、松下幸之助が茶室を例えに「一座建立で、社長も専務も
社員もみんな同列に座って一碗のお茶を勧め合う。そんな会社は発
展する」の記事も載っていて、これなら出来そうだと慰められる。


たったA3二枚分の新聞でも十分に重いのだ。読み終わったあと、
溜る一方の新聞をどうするか。これが目下の悩みだ。

2018.0828