今週知り合ったOさんはすごい人だ。
時おり快活に笑い、2時間立ちっぱなしで明るく講演される。
Oさんは筋ジストロフィーの病に罹り、手と脚で障害者1級に判定
され電動車椅子を与えられた。その環境を覆し、自分で立てるよう
鍛錬していると言われなければ、誰にも分からないだろう。
自宅でライターの仕事と、8歳のご長男を先頭に3人のお子さんを
含む家事一切を引き受けて、専業主夫として生活をされている。病
気を知りながら結婚して出産した奥さんもすごいと思う。
初見の夜、Oさんからフェイスブックの友だち申請が来た。覚えて
いてくださったんだ!と感激して感想文をメッセージで送った。
フェイスブックでOさんの生活を知る。カレーに付けるナンも手作
りだ。なんて丁寧な食生活と驚く。むかしシェフだったから、筋肉
が動く限り子どもたちに教えたいという強い意志があることを知る。
『食』は身体を作るだけではなく、文化とか家族の歴史や絆とか、
そういうものも育んでいるのだなと改めて思う。
全く悲壮感を感じさせない、それでいて今、この刹那を生きるOさ
んの人間性に魅了されて3日後の集いに再び出掛けた。
前回はお父さんが同席されていたけれど、今度はお母さんと妹さん
にもお会いした。お母さんは「私は、子どもたちに育ててもらって
いるようなものです」とおっしゃったのが印象的だった。
なんだろう、この家族の底抜けの明るさは。
この数日で、三次元の苦労のあれこれを客観的に見られる眼を持っ
た気がする。
2018.0928