フリーマガジン『おでかけmoa』の3月号"ぶらり信楽散歩"に、
かまーとの森が掲載された。行ったことのない店が多く載っている。

どの店主とも面識はあるが、店舗に出向く用が無いので「まったく
知らなかった」と言う、信楽に生まれ育って60年を超える社長と工
場長と共に、町内を観光することにした。

まず『のぼり窯・miharu』へ。登り窯は原始的な構造だから、百年
近く時が止まったかのような風情だ。陶芸教室で指導する神埼さん
に挨拶してから、『山立製陶所』と『谷寛・ほうざん窯』へ。

NHKテレビ「スカーレット」のロケ地の場所をお客様に聞かれる
たび、赤マジックで印をつけ地図を渡しておきながら、一度も来た
ことがなかった。それは2人も同じだったようだ。

工場長はNHKの残した大道具の看板『丸熊陶業』の前に立ち、写真
撮ってと言う。山立製陶所さんは「広い敷地が埋まるほどの人出
だったが、新型コロナウィルスの影響で激減した」とおっしゃった。

ほうざん窯では、お得意の海鼠色(生子色・青)の食器が目を惹く。
女将さんは、お客様と話すとき、最近は「釉薬」と言っても通じな
いので、どうしても説明が長くなるとのことだった。

ここでコーヒーを、と決めていた『タオ・リビングデザイン』へ。

奥さんが焙烙で豆を炒る。香りが店内に満ちた。酸味の強いさっぱ
り味も深く苦みのある味も、同じ豆の炒り加減で差が出るのを知っ
た。炒りたて惹きたてのコーヒーはとてもフレッシュで美味しい。

信楽は見どころが多く、小路が複雑で散策に適している。観光地と
して充分面白いと再認識した。晴れた午後のお出掛けは愉しかった。

2020.0308