次男と婚約者が帰省したので、近所に住む長男夫婦と合わせて総勢
7人分の昼と夜の食事を3日間作った。二家族とも引っ越しをした直
後だから、実家ですることは山ほどある。
　
まず次男は自室の小学生時代からのあれこれを捨てた。それから長
男指導の元、壁を塗り替え、ブラインドやカーテン・電器などを新
しくしたので、今後ふたりが寝泊まりする部屋が無事完成した。

次男はともかく彼女まで働かされていたし、長男には満６カ月にな
った孫もいるし、食事を作ることくらい引き受けなくてはね・・と
言ったけど、家族が揃う時間を誰より喜んでいたのは私かもしれな
い。メニュを考えるのが愉しみだったから。

毎晩の酒量がはかどるので、リカーマウンテンへ買い足しに行く。
知人に２人も会ったので、今は同じような暮らしぶりだろうと推測
した。長男は畑、次男はベランダで野菜を作るそうだ。stay home
で、考えることは皆んな一緒なのだ、種苗売り場も混雑していた。

私も身の回りを整理した。『コロナ後は価値観が変化』を意識する
わけではないけれど、重くて派手な色のブランドバッグをメルカリ
で売ったら、即、買い手がついた。すっきりした気分になる。

３週間に一度美容室に行っていた社員と85歳の母が、口を揃えて、
「身だしなみはどうでもよくなった。服を買う気にもならない」と
言いだした。イベントや稽古事がないと必要を感じないらしい。

しかし、近所の料亭の女将は髪を結い上げ、大島紬に白足袋で小走
りに寄り、笑顔で話かけてくださった。飲食店は大変で、10歳も上
なのに。何だか感動して涙腺が緩んだ。私も元気溌剌でいなくては。

2020.0508