一年前に生まれた長男の長男が、1歳を迎えた。一年はあっという
間だけど、歩く孫を見ると一年の重みを感じる。

長男が、嫁の両親と私たち夫婦を招いて祝いの会を催した。

甲賀では満1歳になった子どもに、一升餅を背負わせる慣習がある。
『一生食べるに困らないように』という願いが由来と聞いている。
京都出身の嫁の母親もそうしてきたと言うので、関西の風習なのか。 

餅を包んだ風呂敷を背負わせ、杖を持たせる。イベントは順調に進
む。わいわいと取り囲まれて、主役は戸惑い気味だけど。

3年前、長女の長男の時にも料亭の祝い膳の一室に持ち込んでおこ
なった。嫁ぎ先の県には無い風習なので、面白がってもらえた。

今回も当然、歩きたての赤ちゃんが背負って立てるはずもなく、皆
に支えられてポーズをとるうち泣き出してお終いとなる。それでも、
周りはこれで食べるに困らないだろうと得心して、一安心するのだ。
 

昔から、杖は竹を切ったものだった。杖を付けてくれる餅屋に注文
している。用が済んだら譲り受け、かまーとの森の薪ストーブの火
吹竹として使うのだ。これで2本に増える。

長女の長女も1歳を迎えるので、今度は私が取りに行った。由来に
火吹竹は先が見通せるようにとある。だが、これは間違いじゃない
か。人生を見通せたら、生きる意欲を無くす子もいるだろうから。

長女は近所の方と誕生会を開くというので、前日に着くよう箱詰め
をした。九州でこの風習を知る人はいるかしら。

次の帰省に、竹は持って帰ってもらおう。そしてストーブ脇に3本
常設しようと思う。

2020.1108