春、甲賀町のシイノさんに御礼として濃い紫のビオラをプレゼント
したところ、珍しい品種だと大喜びしてくださった。

グレーの植木鉢に、一見黒に見える花と葉の緑色の組み合わせはシ
ックで、私には素敵に思える。しかし8年前にグレーの鉢を販売した
時には人気が無かった。ピンクや黄色の花にも合うのに。

最近、某大手フラワーショップの各店舗で、植物を植えたプラスガ
ーデンのグレーの鉢の売れ行きが良い。

先月、突然シイノさんはこのビオラを手に現れた。近所の人からも
「いいなぁ」と絶賛されたので、毎年咲かせるべく、種を採り育て
花が咲いたところでPポットに入れて、お返しに来たと言うのだ。

店頭に置くと、やはり詳しい方はいらっしゃるもので、ビオラブラ
ックまたはピーコックブラックの名前があると教えてくださった。

来年度のカタログには、この花を使って明るい表紙にしたい。差し
色となるオレンジのビオラをプラスガーデンの鉢に植え、届いたば
かりの新しいレンズを装着して高山さんが撮影した。


京都のミシマ社を知ったのは、数学者・森田真生の本を出版し講演
会を開いた頃だ。次々と出る新刊は面白そうなものばかりだった。

久しぶりに購入したのは、土井善晴・中島岳志著の『料理と利他』。

眩しいくらいの新しさに驚く。今年11月までのリモートでのやり取
りが本になっているのだ。内容も新しい風が吹き抜けているような
感覚だった。「~でなければいけない」で育った私にとって、気が
楽になる土井さんの言葉。料理に留まらない哲学者の見方など。

来年もミシマ社に注目しようと思う。楽しみが増えた。

2020.1228