初めて湖北・木之本へ行くことになった。貴生川駅で待ち合わせた
タカちゃんと草津線に乗り、草津駅で北陸本線の近江塩津行に乗り
換える。家から約二時間半かけての片道は、ちょっとした旅だ。

昼食の店名『みちくさ』は知ってるけど、今日、食事以外何かある
の?と聞くと、タカちゃんは冷静に「会議です」と答えた。

知ってはいるけど食べた事のない"焼鯖そうめん"と"なれずし"が、
お膳に並んでいるので驚いた。来てよかった。女将の村井さんは、
"焼鯖そうめん"郷土料理になった理由を話してくださった。

"なれずし"は、塩鯖を洗い飯を詰め一晩置く。一口食べてチーズ?
と思ったのは発酵した飯なのか。鮒鮨より食べやすいと評判のよう
だ。フキノトウの天婦羅は、春を噛むように甘くほろ苦い。

会議より、活力の湧く話を皆と共有して充実した時間となった。

帰りの1時間に1本の電車時刻に合わせて、木之本地蔵院を中心に
散策をした。『北国街道』なんてのがあったんだ。本陣や旅籠など
の建物が昔のまま残っていて、時代を遡って紛れ込んだようだ。

地図に知り合いの店"すし慶"を発見したので、皆と別れて向かう。
家人は鯖寿司が好物だ。さらに、ここのはふっくらした緑色の山椒
の実が入っていて、寿司全体を分厚い昆布で包んである絶品だ。

『すし慶』の女将は突然の来訪を喜んでくださって、"賤ヶ岳合戦
図"の屏風絵を是非見てとおっしゃる。廊下を走って後に続いた。
墨字の並ぶ七人の名前で、"七本槍"はこれが由来と思い出す。

玄関で鯖寿司と鴨ロースと小鮎の佃煮を受け取り、女将に駅までク
ルマで送ってもらった。皆と合流し、日本酒"七本槍"を購って帰る。

2021.0308