お中元の挨拶に京都へ出向いた際、某ブランドの好きな主人が、
「シャツを一枚注文しているから一緒に来て」と言うので、ついて
行った。いつの間にか、店は伊勢丹から路面店に移動していた。
途中、プラスガーデンの鉢がディスプレイに使われている眼鏡屋の
ウィンドウを見かけて、写真に収める。
レディースフロアを指して「何か着てみたら?」と主人は言うが、
私には似合わないと思っている。バルーン型のワンピースなど一目
でこのブランドとわかるし、なぜか着る人にカリアゲが多い。
私はある方に「人と出会ったあと、髪型や衣装が記憶に残るのでは
なく、人そのものが印象に残らなければいけない」と教えられた。
髪型や服を思い出されたら、それらに負けているという理屈だ。
白い無地のスニーカーを履いてみた。これなら手持ちの服と合う。
だが店の人も試着を勧める。折り紙のような白と黒の衣装は避けた。
赤と白の縦じまのバルーン型のワンピースを手にとる。袖は二つ繋
げた提灯袖、裾までたっぷりのギャザーの綿ローンは涼しそうだ。
私は短髪だった。鏡に映ったのは漫才師の今くるよ。または、大き
な玉に乗ったサーカスのピエロを連想させた。着こなせそうにない。
「一度くらい、このブランドの服を着てよ」と主人は後に引かない。
次に赤地に白の水玉のロングTシャツワンピースを着た。着心地は
良い。「顔映りが良く、お似合い」と言われても、そう素直に喜べ
なかったけれど。これに白いスニーカーを合わせてお買い上げ。
着るか?って、着るに決まってます。服に負けてどうする。『日曜
日のかまーとの森の店長の制服』として、気合を入れて着ます。
2021.0708