どうしてだか、午前5時に目覚めた。いつも夜中まで起きているの
でこんなことは珍しい。ほどなく起きてきた母が、新聞を読んでい
る私を二度見して、千載一遇の如く驚く。

そして「今朝、大根の種まきをする。もう歳だから来年は出来ない
と思うので、ぜひ教えておきたい」と言い出した。私は畑仕事をす
るつもりは無い。貴女はしなくても孫に伝えてほしいから。冬大根
は九月初めに蒔くと決まっているし今夜は雨で都合良いと懇願した。


畑に到着、午前6時。朝の空気は清々しい。母が土を均す。そこに
ジョウロで水を撒く。等間隔で千鳥にくぼみを作った母は「最近の
種の袋は少量しか入ってないから、ここへ一粒づつ置いて」と言う。

二つの畝に蒔き終わっても、種はまだ半分近く残っていた。

あとは間に適当に蒔いておけばいいわ。えっ?それなら最初の凹み
は意味ないじゃん。ほんの少しの土とモミ殻を上に乗せ、水を撒く。
40分間で終了。合間に収穫した唐辛子と胡瓜を持って帰宅する。

午前7時、お弁当を作っていると、次男から赤ちゃんが生まれそうと
LINEが入る。夕べ、なかなか気配が無いと言っていたのに急展開だ。


家族で海外旅行に出掛けている。自然採光の広い空港の待合ロビー
で座っていると、空港用手荷物カートに紙おむつをいっぱい積んだ
次男が笑顔で歩いて来る。「あんなに買う?」クスリと笑う私。

今年の初夢だ。白地にブルーのラインのパッケージだったので、男
の子ができるのかなと思った。しかも名前まで示唆していたか。


出勤のため家を出てしばらくすると、生まれたと連絡が入った。超
安産で驚く。良かったなぁ。ようこそ、碧(あおい)くん。

2021.0908