捨てるより再利用だと、 数年ぶりに『BOOKOFF』へ本を持って行っ
た。二度と読まないであろう十数冊ほどを。手続きに時間がかかる
と思っていたら、すべて携帯電話のアプリで用が済み、査定が終わ
ると買取金額をメールで知らせてくれるようになっていた。

畑に柑橘系の実がなる。誰も採らないからオレンジ色に熟している
だけで、スダチではないか。それを料理上手な『いろり~な』の宮
田さんにもらってもらう。お礼に梅と柿の手作り酵素ジュースをい
ただいて、得をした気持ちになる。

ウィーンの写真家・アーミン(Armin Amano)から、今年もメッセ
ージカードが届く。かまーとの森で写真展をしたのは2016年の12月。
あれから2,3度会ってはいるが、何を話したわけでもない。義理堅
いのは日本人以上だ。大きな賞を受けたと伝え聞く。

母が遺影を作っておきたいと言うので、『カメラのキタムラ』に連
れていく。何でもハイハイと付き合う。幸田文が「病人に尽くしき
る娘に感心する。だがそれは、母である自分もそうしていたからと
事もなげに言われた」というエッセイを読んだからでもある。

最終日、かまーとの森のスタッフに"こだわり卵"を配った。一年
間のお礼と、来年の抱負で締めくくる手紙を付けて。

卵を配達してくれた恵美子さんは先月、熊本に帰省した。実家の前
の海岸が、東シナ海に沈む夕日が見られる唯一のポイントとネット
で有名になったらしい。ずらりと並ぶカメラ。滋賀に嫁いで50年、
初めてそこから夕日を見たとのことだ。東シナ海?の顔の私に、恵
美子さんは地図を描いた。天草とか雲仙は旅情をそそる地名だった。

2021.1228