かまーとの森は、創業からオーディオに真空管アンプを使っている。
これを作った方が、オープンしてまもなく偶然来られて「米国人の
注文のため二つ制作して、一つは向こうへ、一つがなぜここにある
のか!?」という、自作アンプと30年ぶりの対面をされた。
以来、気まぐれに立ち寄ってくださるニキさんは豊富な経歴の持ち
主で、"オーディオの父"という呼び名が相応しい。
私の知り合いに、自作のオーディオを楽しむナオムラ君とヤマダ君
がいて、この三人を引き合わせることにした。特に、独学で陶器の
オーディオを作ったヤマダ君は、きっと後ろ盾が欲しいに違いない。
感想を聞きたいと、かまーとの森に持ち込んで来るくらいだもの。
案の定、初対面の皆さんは午後1時から閉店過ぎまで熱心に話し込
んだ。話が尽きないのか、翌週も再会の約束をしたようだ。
ニキさんは、「使いたいものがあれば遠慮なく言ってください」と、
私にレコードプレーヤーなどの写真を置いて帰られた。レコードを
聴くのは、家ならまだしも、店なら鑑賞会を設けるほかないだろう。
また、これらをお借りしても粗相があっては困る。
一日中音楽が流れていても、耳の疲れないスピーカーがあれば充分
だ。且つ設備が頑丈ならば。というのも、9年も使っていれば故障
するものが出てくるからだ。ただし、ニキさん作は別だったけれど。
休日、社長と修理の終わったデッキを取りに行った。『シアターナ
カノ』というだけあって、65型のアンドロイドテレビが据つけてあ
る。タブレットで瞬時に切り替えられる便利さ。立体音響だって!
「これからは、これじゃないですかね」と社長に提唱する。
2022.0808