滋賀県猟友会信楽支部のステッカーを貼った軽トラックが停まった。
男性が降りて、「鹿の駆除依頼の件で来ました」とおっしゃった。
心当たりが無い旨を伝えたら、加陶さん辺りの民家で被害が出てい
るので、とりあえず目的地に来てみたとのことだった。
この猟師さんによると、昨年度は1000頭以上の鹿を駆除したそうだ。
「昔、オオヒラタケシさん(元県会議員)のいた頃は130人いた猟
師が、今や10人に減ったので忙しいんだ。」じゃあ、一人100頭の
割合ですね。「そう、一人で200頭以上撃った者もいるよ。」
「今年の春に、和束町(信楽町と隣接する京都府)で熊が出たニュ
ースを知ってるだろう?あの親子の熊だけじゃなく、信楽にもいる
んだよ。小川・多羅尾・神山地区で目撃されて駆除の申請が出ても、
県は撃つなというんだ。」何で?
「撃つとニュースになる。信楽は観光地だから、客が減るのを危惧
しているんだ。」う~ん、よく分かりません。「俺も分からん。」
「この前、熊が鹿を襲ったあとを見たら、内臓だけを食べていたん
だ、肉を食べずに。内臓は栄養があるんだね、熊に教えてもらった
よ。」いや、それは当然だと思います。
新しい事業などで森林の伐採をした時に、山と民家の境目にフェン
スを設けなくてはいけないとのご意見だった。
いつかの秋の夕暮れ、コンクリートの道を歩く「カツカツ」が重な
りあう、幾頭かの蹄の音を聞いたことがある。事務所に居ながら、
黄昏に鹿の影が浮かび上がる情景を想像して風流だなと思っていた。
もうすぐ、鹿の鳴き声が聴こえる時期だ。
2022.1008