2006年まで稼働していた当社の全長80mのトンネル窯。窯の焼成に
使った50tの重油タンクは撤去せず、10年前のかまーとの森の開業
時にタンクに扉と屋根を付けて、付随の建物として利用してきた。

この度、さらに活用すべく、リニューアルし『襾囲庵』aiannと名付
けた。襾は覆う、囲は文字通り囲うの意味がある。

まずは、ギャラリーとして特別展「冬籠りの準備」を開催する。
かまーとの森にゆかりのある7人の陶芸家に依頼した。人気作家揃
いのため、好評な出足で賑わっている


会期2日目は母の89歳の誕生日。「日頃世話になっているから、ご
馳走したい」と私たち夫婦と妹を誘ってくれた。会社近くの『魚仙』
の大将は、『たん熊』で修行した。たん熊といえばすっぽん鍋だ。

カウンター席での、おまかせ握りとすっぽん鍋を予約しておいた。

主人と妹が「お母さんの誕生日なのに支払いさせるのはどうか」と
聞いてきた。「お金を使わせてあげるのも親孝行だ」と答える。

義父は生前、この店の常連だった。今は息子も出入りしているので、
三代にわたる付き合いになる。また大将(52歳)の先輩を知ってい
る奇遇も重なり話題は尽きなかった。当然、も美味しい。

75歳の女将は「若い頃、短距離走でいつも日本二位だった。一度は
日本一になりたいから、シニア陸上で優勝するため毎日走っている」
とおっしゃったので、妹は「カッコいいなぁ」と感心しきりだった。


次々と握られる鮨。母の皿に置かれたのは、ご飯が少なめで、且つ
二つに切ってあった。それを知ってか知らずか、「皆と同じように
全部食べられた」と喜んだ。食欲のあるうちは大丈夫だろう。

2023.1218