年が明けてから低調だった。それでも、大津市・夕照庵での初釜に
は行かなくてはいけない。弁当手配の担当だから。
『源氏物語』を起筆したという紫式部ゆかりの石山寺が、大津市内
にある。料理屋『新月』の綺麗に詰まった紫式部弁当は、今年のN
HK大河ドラマの話題をきっかけに話が弾み、皆に喜んでもらえた。
夕照庵は、何室も自由に使えて、道具の貸し出しもある清潔な県の
施設だ。庭も整っている。持参した掛軸や道具、菓子類などを支度
しているうちに集中し、愉しい時間を過ごすことができた。
少し元気が出たところで、コシノジュンコの講演日になる。コシノ
ジュンコと同じ岸和田出身の福重さんと、あべのハルカスへ向かう。
食事会も兼ねる九つの円卓は70~80歳代の女性が多かった。総勢60
名余。皆の声をまとめると、この会場の人たちには小篠綾子の影響
が色濃く残っていて、偉大なグレートマザーだったのだと思う。
そして、だんじりの町に育った、いや、広くは大阪全般の女性に任
せておけば、日本は安泰ではないかという気さえした。
講演は、最後までよどみなく的確に話された。まったく年齢を感じ
させない。聡明さとパワーを感じるのは現役の強みか。大阪万博に
合わせて、小篠綾子が映画化されるらしい。主役が大地真央だなん
て、それは似ても似つかぬ雰囲気になると思ったのは私だけかな。
食事後、コシノジュンコ直々に展覧会の説明をしていただく。
よほど美術大学に進めなかったことが悔しいと見えて、講演でもこ
こでも時間をさかれた。19歳から脚光を浴びた華々しい人生がパネ
ルにしてあった。著書『大丈夫』を購入して帰途に就く。
2024.0118