直前に母が腰痛を患ったので、傘寿を祝う食事会をキャンセルした
のは昨年の春だった。あれから回復して、散歩にも出られるように
なった。この機を逃してはいけないと、卒寿を祝う会を開いた。
桜の開花は昨年より十日遅れとのことだ。そのおかげで、雨風の強
い日が二日続いたけれど、咲きかけの桜を愛でる週末になった。
早めに告知していたから、遠方に住む子も調整して集まってくれた。
私と妹に子どもが三人づつ、その連れ合いを含めて大人が十五人。
孫は五人。合計二十名が母を囲んだ。少々耳が遠くても、挨拶がて
ら順に話しに来るので、不自由はなかったようだ。
二十代の子らの話によると、今やマッチイングアプリで伴侶を見つ
けるのは、"あり"らしい。互いに出した条件のもとに会うそうだ。
条件に関しては問題無いだろうが、私にはもう想像すら出来ない。
どのテーブルも話は尽きぬようで、また従妹同士飲む機会も稀なの
で、賑やかな光景を見る母は幸せだったろう。よい節目の会だった。
翌日は孫と居たかったが、店が予約で満席だから、そうはいかない。
特に、数か月前からご予約の外国人ツアー客24名が入っている。ツ
アーガイドによると、カリフォルニアの芸術コースの高校生という。
陶芸専攻の学生が「cool」と、18年前のプラスガーデンの食器シリ
ーズ『游』のぐい呑みを買ってくださった。
長石を含む土で作ったため、粒が気になる人はいるだろう。食器で
はありえないと猛反対された商品群だ。二村さんに報告すると、
「ボクたちのデザインが早すぎたのですね」と言う。そうなのか?
購買層は、若い人(10代~20代前半)か、外国人に限られている。
2024.0408