しが女性中央会研修会の、湖北・木之本『想古亭源内』での食事と、
糸製造会社『㈱丸三ハシモト』の工場見学を愉しみにしていた。
まず想古亭源内のご主人が、木之本と店の歴史をお話しくださった。
店を起業された曾祖父の頃って、何年前だろう。大正天皇の弟のご
来店写真が掲げてあり、廊下には著名な作家の色紙が何枚もあった。
琵琶湖の鮎やニジマス、山菜の煮炊きもの料理などをいただく。
私は、ご主人が「時間がないので今日はやめます」とおっしゃった、
曾祖父から口伝で伝わる"賤ヶ岳の戦い"の話をお聞きしたかった。
けれど、同席の方の「たくさん戦死されている場所、怖いことはあ
りませんか?」の質問に、女将さんは「いろいろと聞きますが、近
くにある伊香具神社が守ってくれているそうです」と答えられたこ
とで、もう、口伝の話は聞かずにおこうと思った。
次に、邦楽器糸全般の400種類の絃づくりの丸三ハシモトへ行く。
繭から生糸を手作業で紡いでいるのは、日本で4軒しかないとのこ
と。(そのうち3軒が滋賀)。この会社の糸の音色に魅了された、
世界中の演奏者から注文があるそうだ。
糸の粘りに、韓国は松脂、中国は魚の内臓の膠、日本は餅を使う話
が一番印象に残った。
玄関のカウンターに松岡正剛著『別日本で、いい』が置いてあった。
Amazonで検索していると、橋本さんが「松岡正剛の父方が長浜出身
なんです。在庫があるのでウチから買ってください」と言われた。
「ボクも少し載ってます」と小声で付け加えて。「松岡正剛は、先
月お亡くなりになりましたね」と言うと、淋しそうに頷かれた。
2024.0928