度々強風やシケで船が欠航になるので、竹生島は呼ばれた時しか行
けない伝説がある。三度目の挑戦のNさんは、前夜の強風を心配し
ていた。私には青空しか想像できない。朝になれば分かると言う。

快晴、凪の朝を迎えた。長浜港発8:50-竹生島着9:25の琵琶湖汽船

上陸すると、いきなりの階段だ。山頂に宝厳寺がある。本尊は日本
三大弁天の一つで有名な弁財天と、千手観音。島は平家物語に出て
くるから歴史も古い。移築された大阪城の極楽橋の唐門は豪華だ。

かわらけ投げで有名な見晴らしの良い都久夫須麻神社へ向かう。

ご神体の龍神を祀っている神棚の前に立った瞬間、両腕がピリピリ
して身体がふわっとした。ここはちょっと違う!と本能が知らせる。

すがるような気持ちで板に書かれた文言を読んだ。祝詞だった。

同じ状態になったYさんは「小銭じぁダメな気がする」と慌てて千
円札を賽銭箱に入れている。私は静かに最後まで祝詞を読みあげた。

神鏡の向こうに、大海原のような湖面がキラキラと光っている。
ここにいるだけで、来た値打ちがあると思える場所だ。Nさんと私
は龍神のお札を購入した。おみくじは『大吉』だった。


竹生島弁財天の次の御開帳は、13年後らしい。Yさんは「その時、
三人でまたお参りしよう」と言った。私は返事をしなかった。この
切り立った、約160段の階段をはたして上ることができるだろうか。

甘酒を飲みながら、お参りの方たちを眺める。確かに80歳代もいら
っしゃる。杖を手に持つ団体客も。そうか、休憩しながら登るのか。

竹生島10:55発-長浜港着11:30。春に高月町の観音様を観に行こう
と誘われた。白洲正子の著書によると、湖北は観音様の宝庫らしい。

2024.1118